屋根葺き替え費用の相場は?坪数別の目安と安く抑える9つのコツ
屋根の葺き替えを検討しているものの、「費用はいくらかかるのか」「どの屋根材を選べばよいのか」と迷う方は多いでしょう。
一般的な戸建て住宅では120万~220万円ほどが目安ですが、屋根面積や勾配、下地の状態によって総額は変わります。
本記事では、屋根材別の費用や補助金の活用方法、費用を抑えるポイントまで詳しく解説します。
適切な工法と依頼先を選ぶために、ぜひ参考にしてください。
屋根葺き替え費用の相場は120万~220万円が目安
屋根の葺き替え費用は、一般的な戸建て住宅で120万~220万円ほどが目安ですが、屋根面積や材料、下地の状態によって変わります。
見積もりには、屋根材と施工費だけでなく、足場代や既存屋根の撤去費、廃材処分費、必要に応じた下地補修費も含まれるでしょう。
まずは総額の考え方を押さえたうえで、費用の内訳や坪数別の試算方法、計算の基本を解説します。
平均費用・総額の目安と単価内訳
屋根葺き替えの総額は、30坪前後の戸建て住宅で120万~220万円ほどが目安ですが、屋根材や下地の状態によって幅があります。
主な内訳は、既存屋根の撤去費、新しい屋根材の材料費と施工費、足場代、廃材処分費、野地板や防水シートの補修費です。
そのため、見積書では総額だけを見ず、施工面積と単価、使用する商品の名称、追加工事が発生する条件まで確認すると、複数社の見積もり内容を同じ条件でより正確に比較しやすいでしょう。
坪数・面積別の費用シミュレーション
屋根葺き替え費用は建物の坪数だけでは決まらず、実際の屋根面積や勾配、形状を踏まえて算出されるため、同じ延床面積でも差が出ます。
たとえば、20坪程度では100万~140万円、30坪程度では150万~200万円が一例ですが、選ぶ屋根材や下地補修の範囲で変動するでしょう。
したがって、予算を立てる際は、足場代や撤去費、廃材処分費も含めた総額で比較し、現地調査後の見積もりで面積と追加条件、保証範囲、支払時期まで確認してください。
国土交通省監修資料にみる瓦屋根改修費の概算方法
屋根葺き替え費用は、屋根面積に屋根材ごとの施工単価を掛け、足場代や撤去費、廃材処分費、下地補修費、諸経費を加える方法で概算できます。
ただし、国土交通省が一般住宅向けに統一した計算式を示しているわけではなく、勾配や形状、地域の施工条件によって金額は変わるでしょう。
そのため、概算は見積もりを読むための参考とし、正確な費用は現地調査を受けて、使用材料と施工範囲、追加費用の条件を確認したうえで慎重に判断してください。
屋根葺き替えの費用を左右する4つのポイント
屋根葺き替えの費用は、屋根の広さだけでなく、勾配や形状、既存屋根材の種類、新しく選ぶ屋根材によって大きく変わります。
急勾配や複雑な形状では足場や加工の手間が増え、重い瓦の撤去や下地補強が必要になれば、追加費用も発生しやすいでしょう。
ここでは、見積もり額に影響する4つの条件を整理し、自宅の屋根で確認しておきたい費用の変動要因を順番に解説します。
屋根の面積と勾配
屋根の面積が広いほど屋根材や防水シートの使用量が増え、施工日数も延びやすいため、葺き替え費用は高くなる傾向があります。
さらに急勾配の屋根では、屋根足場や安全設備が必要になり、資材の運搬や職人の作業効率にも影響して、人件費が増えるでしょう。
そのため、見積もりを確認する時は延床面積だけで判断せず、勾配を反映した施工面積と、その算出方法、追加される仮設費用や安全対策費などの詳しい内訳を説明してもらってください。
寄棟や切妻など屋根の形状
屋根の形状が複雑になるほど、屋根材の切断や板金加工、雨水を適切に流すための納まりに手間がかかり、材料費と施工費が上がりやすくなります。
たとえば、4方向に傾斜する寄棟は、棟や取り合い部分が多い一方、2方向の切妻は構造が比較的単純で、材料のロスも抑えやすいでしょう。
したがって、谷や複数の屋根面がある住宅では、雨仕舞いの施工範囲と板金部分の仕様、加工費、端部の納まり、施工後の保証対象が見積書に含まれているか確認してください。
既存の屋根材の種類(瓦・スレート・トタン)
既存屋根材の種類によって、撤去に必要な人手や廃材の量、分別と処分の方法が異なるため、葺き替え費用にも差が生じます。
具体的に、瓦は重量があり撤去や運搬の負担が大きい一方、スレートやトタンは比較的軽くても、サビや割れの状態によって下地補修が必要になるでしょう。
そのため、見積もり時には屋根材の名称だけでなく、固定方法や下葺き材、野地板の傷み、処分単価まで調査してもらい、追加工事の範囲と単価、その判断基準を確認してください。
新しく張る屋根材の種類
新しく選ぶ屋根材は、材料単価だけでなく、施工方法や必要な下地補強、将来の塗装や部分補修の頻度にも関わるため、総費用を大きく左右します。
たとえば、金属屋根やスレートは軽量で施工しやすい一方、瓦は材料費と施工手間が増えやすく、建物によっては構造や耐震性の確認も必要になるでしょう。
したがって、初期費用だけで決めずに耐久性や断熱性、保証内容、維持費、住宅の外観との相性まで比較し、将来の補修計画や住み方にも合う屋根材を選んでください。
屋根材別に見る葺き替え費用の相場一覧
屋根葺き替えの費用は、選ぶ屋根材の単価や施工方法によって異なり、耐久性や重さ、将来のメンテナンス費用にも差が生じます。
価格だけで選ぶと、断熱性や防音性、塗装周期などが希望と合わず、長期的な負担が増える可能性もあるでしょう。
ここでは、代表的な屋根材ごとの費用の目安と特徴を整理し、住まいに合う材料を比較する時の確認事項を解説します。
ガルバリウム鋼板・SGL鋼板への葺き替え費用
ガルバリウム鋼板やSGL鋼板への葺き替えは、材料と施工を合わせて1㎡あたり7,000円~12,000円ほどが一つの目安になります。
ただし、総額には既存屋根の撤去費や足場代、廃材処分費、下地補修費も加わるため、30坪の住宅でも屋根面積や形状で大きく変わるでしょう。
また、金属屋根は軽量で耐食性に配慮された製品が多いため、表面処理や断熱材の仕様、塗膜保証と施工保証の期間や対象範囲まで確認して比較してください。
日本瓦・陶器瓦への葺き替え費用
日本瓦や陶器瓦への葺き替えは、材料費と施工手間が大きいため、30坪前後の住宅で180万~250万円ほどになるケースがあります。
瓦は耐久性や遮音性に優れる一方、重量があるため、建物の構造や下地の状態によって補強工事や耐震性の確認が必要になることもあるでしょう。
したがって、見積もりでは瓦本体の価格だけでなく、既存瓦の撤去と処分、野地板や防水シートの交換、棟部分の施工方法、耐震面の確認まで含まれているか確かめてください。
スレート(コロニアル)への葺き替え費用
スレートへの葺き替え費用は、一般的な住宅で80万~180万円ほどが目安ですが、屋根面積や製品のグレード、下地補修の範囲によって変わります。
また、スレートは比較的軽量で施工しやすいものの、将来は塗装や部分補修が必要になるため、初期費用だけで判断すると維持費を見落とすでしょう。
そのため、複数の見積もりを比べる際は、材料の商品名や保証期間、防水シートの仕様、撤去費と足場代、将来の塗装時期や点検費用まで揃えて確認してください。
アスファルトシングルへの葺き替え費用
アスファルトシングルへの葺き替えは、1㎡あたり6,000円~8,000円ほどが目安で、30坪前後では80万~150万円程度になる場合があります。
軽量で複雑な形状にも施工しやすく、色や模様の選択肢もありますが、下地の傷みや強風対策、製品の仕様によって追加費用が生じるでしょう。
したがって、見積もりでは材料費と施工費に加え、既存屋根の撤去、接着や固定方法、防水シート、端部の納まり、保証条件も確認してから比較してください。
屋根葺き替え費用を安く抑える9つのコツ
屋根葺き替え費用は、依頼先や屋根材、工事時期、補助制度の利用方法によって変わるため、事前の比較と情報収集が重要になります。
相見積もりや専門業者への直接依頼に加え、足場を使う工事の同時施工、補助金や保険の確認も負担軽減につながるでしょう。
ここでは、施工品質を落とさず費用負担を抑えるために、依頼先の選び方や制度の活用など、検討したい9つの方法を解説します。
複数業者から相見積もりを取る
複数の業者から相見積もりを取ると、同じ屋根でも施工範囲や使用材料、単価、保証内容にどのような違いがあるかを比較できます。
なお、依頼条件が異なるままでは正しく比べられないため、屋根材の種類や補修範囲、足場、廃材処分を揃えて見積もりを依頼しましょう。
また、極端に安い金額だけで決めず、追加費用が発生する条件や現地調査の内容、担当者の説明、使用材料、工事後の対応と保証期間、相談窓口の体制まで十分に確認して選んでください。
仲介サイトを避け専門工事会社に直接依頼する
専門工事会社へ直接依頼すると、紹介手数料や下請け管理費が見積もりに含まれにくく、連絡や現地調査も施工担当者と進めやすくなります。
ただし、仲介サイトを利用しただけで必ず高額になるとは限らず、保証や相談窓口などのサービスが費用に含まれる場合もあるでしょう。
そのため、直接依頼と仲介サービスの双方について、総額、施工会社、工事範囲、保証、相談体制を比較してください。
建築板金工事会社など専門業者を選ぶ
金属屋根への葺き替えでは、建築板金工事会社など専門性のある業者へ相談すると、材料の加工や雨仕舞いを含む具体的な提案を受けやすくなります。
なお、元請け会社から下請けへ発注する場合は管理費が加わることもありますが、専門業者への直接依頼だけで費用と品質が決まるわけではありません。
そのため、資格や施工事例、現地調査の丁寧さ、見積書の内訳、保証と点検体制を確認し、屋根の状態に合う工事を根拠とともに説明できる業者を選びましょう。
軽量な屋根材で建物への重量負担を抑える
軽量な金属屋根やアスファルトシングルを選ぶと、建物への重量負担を抑えやすく、重い屋根材への変更で必要となる構造補強を避けられる場合があります。
ただし、既存の野地板や垂木が腐食していれば、屋根材の重さにかかわらず補修が必要になり、費用を省くことはできません。
そのため、材料の軽さだけで決めず、耐風性や断熱性、遮音性、維持管理の方法を比較し、下地調査の結果と建物全体の構造を踏まえて適切な屋根材を慎重に選んでください。
補助金・助成金制度を活用する
屋根葺き替えが耐震改修や断熱改修などの条件を満たす場合は、国や自治体の補助金・助成金を利用でき、自己負担を抑えられる可能性があります。
ただし、屋根葺き替え単独では対象外となる場合があり、耐震・省エネ等の要件と対象経費を制度ごとに確認することが大切です。
さらに、自治体や事業の公式情報で最新の要件を確認し、見積書や図面、写真などの必要書類を準備して、申請期限と工事の着工可能日を守って手続きを進めてください。
火災保険が使えるケースを確認する
台風や強風、雹、大雪などの突発的な事故で屋根が損傷した場合は、契約内容に応じて火災保険の補償を受けられる可能性があります。
なお、経年劣化や施工不良、通常のメンテナンスは対象外となることが多く、葺き替え費用の全額が必ず支払われるわけではないでしょう。
したがって、被害状況を写真で残し、修理前に保険会社へ連絡したうえで、補償範囲や免責金額、申請期限、必要書類、事故日の扱いと査定の詳しい手順を確認して手続きを進めてください。
外壁塗装など他工事とまとめて足場代を節約する
屋根葺き替えと外壁塗装を同時に行えば、共通して使用する足場の設置と解体を一度にまとめられ、別々に工事するより費用を抑えられる場合があります。
ただし、外壁の劣化が少ない段階で不要な工事まで追加すると、足場代を節約しても総額が増えるため、同時施工が常に得とは限りません。
そのため、屋根と外壁の点検結果、次回の改修時期、施工期間、保証の扱いを比較し、不要な工事を追加せず、必要な工事だけを適切な時期にまとめてください。
閑散期を狙って依頼する
屋根工事は気候が安定する春や秋に依頼が集中しやすく、比較的予約が少ない時期には、日程調整や価格交渉がしやすくなる場合があります。
ただし、夏の猛暑や冬の降雪、梅雨の長雨は作業効率と安全性に影響し、工期が延びれば費用面の利点が小さくなるでしょう。
そのため、値引きだけを目的に時期を決めず、地域の天候や施工方法、緊急性を踏まえ、無理なく品質を確保できる日程と予備日、養生方法、連絡体制を事前に業者と相談してください。
減税制度・リフォームローンを利用する
耐震や省エネなど一定の要件を満たす改修では、所得税や固定資産税の軽減制度を利用できる場合があり、実質的な負担を抑えられる可能性があります。
また、リフォームローンを利用すれば費用を分割できますが、金利や手数料、返済期間を含めた支払総額は現金払いより増えるでしょう。
したがって、対象要件と申請期限を税務署や自治体、金融機関の公式情報で確認し、将来の維持費と返済総額、毎月の負担も含めて無理のない資金計画を立ててください。
活用できる補助金・助成金制度
屋根葺き替えでは、耐震性や省エネ性能の向上などを目的とする工事で、国や自治体の補助金・助成金を利用できる場合があります。
制度を活用できれば負担軽減につながりますが、対象となる住宅や工事内容、申請時期は事業ごとに異なるでしょう。
ここでは、利用できる可能性がある制度の種類と主な条件を整理し、申請前の確認事項から交付までの基本的な流れを解説します。
国や自治体のリフォーム補助金の種類
屋根葺き替えに関係する補助制度には、耐震改修や断熱改修、長期優良住宅化などを支援する国の事業と、自治体独自の住宅改修助成があります。
なお、屋根材を交換するだけでは対象にならず、耐震性能や省エネ性能の向上を示す設計や工事が要件となる場合がほとんどです。
そのため、制度名や予算、受付期間は年度ごとに変わるため、国や自治体の公式ホームページで最新情報を確認し、対象工事や施工業者の条件、申請期限まで事前に必ず確かめてください。
補助金を利用できる条件と申請の流れ
補助金を利用するには、対象地域や住宅の所有者、工事内容、施工業者などの条件を満たし、原則として契約や着工の前に申請する必要があります。
その際は、募集要項を確認して見積書や図面、現況写真などを提出し、交付決定後に工事を進め、完了後は実績報告と領収書を提出する流れが一般的です。
なお、必要書類や審査期間は制度ごとに異なるため、申請期限から逆算して準備し、交付決定前に契約や工事を始めないよう十分に注意して進めてください。
まとめ:屋根葺き替え費用の相場と賢い節約術を押さえよう
屋根葺き替え費用は、一般的な戸建て住宅で120万~220万円ほどが目安ですが、屋根面積や勾配、形状、既存屋根材、下地の状態によって変わります。
費用を抑えるには、複数社から同じ条件で見積もりを取り、材料や施工範囲、追加費用、保証内容まで比較することが大切です。
また、補助金や火災保険、減税制度を利用できる場合もあるため、工事前に条件を確認しましょう。
葺き替えとカバー工法のどちらが適しているかは、屋根と下地の劣化状況によって異なります。
現地調査を受けたうえで、価格だけでなく施工実績や説明の分かりやすさも確かめ、安心して任せられる業者を選んでください。
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この記事の監修者

柴 大之(しば ひろゆき)
株式会社E-style(横浜ペイント)
執行役員/店長
プロフィール
塗装業界に長年携わり、現場経験とマネジメントの両面から住宅塗装の品質向上に尽力。職人としての実務経験をベースに、施工管理・お客様対応・スタッフ育成まで幅広く担当。
「わかりにくい塗装工事を、誰にでも理解できる形で伝える」ことを信条とし、実際の施工現場で培った知識をもとに、正確性と実用性を重視した監修を行っている。

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