建築基準法とは?住宅にかかわる法規制
皆様こんにちは!
横浜ペイントは横浜市を中心に高品質&低価格な外壁塗装・屋根工事・雨漏り修理をご提供する専門店です。
横浜ペイントのブログをご覧頂きありがとうございます♪
今回は、住宅を建てる前に行う事務的なものについて詳しく解説させて頂きます。
最後までご覧頂ければ嬉しいです!
はじめに解説
家を建てるとき、単に「好きな場所に」「自由な形で」「好きなように建てる」ということはできません。なぜなら、建物には安全性や住環境を守るための法律=建築基準法があり、これに違反して建築することは許されていないからです。
ここでは、家づくりやリフォームにおいて関係してくる建築基準法の概要・主な規制項目・注意点を、わかりやすく3000字程度でご紹介します。
1. 建築基準法とは?
建築基準法とは、「国民の生命・健康・財産を守るために建物の安全性・衛生・防火などを確保するための法律」です。昭和25年(1950年)に制定され、その後何度も改正を繰り返して、現在の社会に合ったルールへと進化しています。
法律の対象は、住宅だけでなく商業ビル、学校、病院など、すべての「建築物」。住宅を新築する場合や、増改築・リフォームする場合にも、この法律を守らなければいけません。
2. 建築基準法で規制される主なポイント
建築基準法では、以下のような項目が細かく規定されています。
(1)用途地域(ようとちいき)
土地の使い方を制限するもので、都市計画法によって「住居系・商業系・工業系」など13種類に分類されています。
例:
-
第一種低層住居専用地域:2階建て住宅が中心。マンションや工場は禁止。
-
商業地域:店舗・事務所・住宅が混在可。建ぺい率・容積率が高めに設定されている。
この地域区分によって、建てられる建物の種類や規模が制限されます。
用途地域(ようとちいき)とはなにかについてわかりやすくまとめた
(2)建ぺい率(けんぺいりつ)
敷地面積に対して、建物の建築面積(1階部分)が占めて良い割合のことです。
たとえば、建ぺい率60%の土地(100㎡)では、建物の1階部分は最大60㎡までしか建てられません。
これは、日照・通風・防災性の確保を目的としています。
(3)容積率(ようせきりつ)
敷地面積に対して、延べ床面積(全階合計)が占めて良い割合のこと。
たとえば、容積率200%なら、100㎡の土地に最大200㎡の建物を建てられます。
用途地域や前面道路幅により、容積率の制限が変わります。
(4)高さ制限(斜線制限)
建物の高さに関するルールで、主に以下の3つがあります:
-
道路斜線制限:道路の日当たり確保のため、道路側からの高さを制限。
-
隣地斜線制限:隣家の日照を確保するための制限。
-
北側斜線制限:特に北側に配慮し、高さに制限が設けられます。
これにより、高層建物が低層住宅地に乱立するのを防ぎます。
(5)接道義務(せつどうぎむ)
建物を建てるには、幅員4m以上の道路に2m以上接している必要があります。
これを「接道義務」といい、消防車などの緊急車両が入れるようにするためです。
旗竿地などの場合も、通路部分の幅が2m未満だと建築できないことがあります。
(6)防火・準防火地域
火災に強いまちづくりを目指し、地域ごとに防火基準が設定されています。
-
防火地域:ビルが密集する都心部など。鉄筋コンクリートなど不燃材料の使用が義務。
-
準防火地域:住宅地など。木造も可だが、外壁・屋根に防火仕様が求められる。
この指定によって、構造や使用できる材料が制限されるため、コストにも影響します。
(7)建築確認申請
一定規模以上の建築物を建てる際は、着工前に「建築確認申請」をして、法令に適合しているかどうかを行政または指定確認機関が審査します。
確認済証を受け取ってから、はじめて工事が可能です。
また、完成後には「完了検査」があり、基準に適合していると「検査済証」が交付されます。
3. リフォームや増改築にも適用される
「建築基準法って新築の話でしょ?」と思われがちですが、リフォームや増築を行う際にも関係します。
例えば:
-
増築して容積率を超えてしまうと違反になります。
-
用途変更(住宅→店舗など)は確認申請が必要。
-
構造変更(耐震補強など)にもルールがあります。
違反があった場合、工事の中止命令や是正命令が出されることもあり、注意が必要です。
【2025年4月施行】もうすぐ木造建築物の構造基準が見直されます!国土交通省発表の変更点をわかりやすく解説 – BuildApp News【住宅DX】
4. 違反建築物とは?
建築基準法に違反して建てられた建物は「違反建築物」となり、売却・増改築・融資などで不利になります。
主な違反例:
-
建ぺい率・容積率オーバー
-
無許可の増築
-
接道義務違反
-
確認申請せずに建築した
違反建築物は、たとえ昔に合法だったとしても、現在の法に適合していないと再建築できないこともあります。
違反建築物の是正勧告を受けたらどうする?罰則や対処方法を解説します | 不動産売却バイブル【イエウリ公式】
5. 最近の動向:建築基準法の改正ポイント
建築基準法は、時代に合わせて何度も改正されています。最近では以下のような動きがあります:
-
既存住宅の有効活用促進(リフォームしやすく)
-
木造中高層建築の促進(木材利用の拡大)
-
防災・省エネへの対応強化
-
地域ルールの柔軟化(地区計画・条例)
「規制を強化する」だけでなく、「安全を守りながら柔軟な設計を可能にする」という方向性にシフトしています。
用途地域とは?13種類の特徴と調べ方、建築制限を解説 | 札幌で注文住宅を建てるなら豊栄建設
6. 建築士や専門家との連携が重要
建築基準法は非常に複雑で、条文の数も多く、地域によっても条件が異なります。建物の設計時には、建築士や設計事務所、行政との協議が不可欠です。
特に「古家を壊して新築したい」「狭い土地に3階建てを建てたい」などのケースでは、専門家による詳細な確認がないと、計画が頓挫するリスクもあります。
まとめ
建築基準法は、安全で快適なまちづくりのために定められた重要なルールです。新築や増改築を行う際には、必ずこの法律を確認し、必要に応じて「建築確認申請」を行う必要があります。
また、法令遵守だけでなく、快適で長く暮らせる家づくりのためにも、法規制の理解は不可欠です。建築士や工務店と連携しながら、計画段階からしっかり確認を行うことが、トラブルを防ぎ、理想の住まいを実現する第一歩になるでしょう。